先日最低限のルールだけをお伝えしましたが、実戦はされましたでしょうか。

実戦をされたとすると、不思議な現象に遭遇することになると思います。

 

囲碁は碁盤のどこに打っても自由なはずが、打てない時がありますから。

 

今回はそのケースについてルールを説明しようと思います。

囲碁ルール超入門その2

みんなの囲碁で対局をしていると、打とうとした時に「禁じ手です」とか「コウの状態です」と表示されて、空いているはずのところに打つことができないことが時々発生します。

禁じ手とは

禁じ手とは、囲碁のルールで「今はそこに打ってはいけません」という所です。

「今は」という点と「何故打ってはいけないのか」という点がポイントになります。

 

たとえば、実際の対局ではありえませんが、以下のような状態だったとしましょう。

禁じ手の例

この場合、白で囲まれた中に1つだけまだ空きがありますね。

ここの空きの部分(4,四)が現在は禁じ手です。

 

なぜかと言えば、囲碁は相手の石に囲まれると石を取られてしまうルールでしたね。

今回の空いている所は打つと同時に取られてしまう状態の場所と言えますからルールとして打ってはいけないことになっているのです。

なので、無理やり打とうとしても、みんなの囲碁では以下のような警告が出て打たせてはくれません。

禁じ手です!

しかし、禁じ手も状況が変われば禁じ手ではなくなることもあります。ここもポイントです。

そしてだからこそ囲碁を一層楽しくしてくれます。

今度は以下のような場合を見てみましょう。

これも禁じ手?

このような状況でも先ほどの場所(4,四)は禁じ手でしょうか。

 

今回はもう禁じ手ではありません。

 

なので、打つことができます。それは何故か?

いまだ黒をこの場所に打てば周りを白で囲まれているので打つと同時に取られる状態に変わりはありませんが、今の状況は打つと同時に白石4つ(4子と数えます)を取ることもできますね。

禁じ手ではなくなったので、打てるようになったし、石も取れた状態

このように本来は禁じ手となるはずの所であっても、そこに打つことで相手の石が取れる時は禁じ手ではなくなり打つことができるのです。

禁じ手についてまとめるとこうなります。

 

「打つ=取られる」という状態の時は禁じ手と言って打つことができませんが、同時に相手の石を取ることができるときは打つことができて相手の石を取れます。

 

これが禁じ手です。

コウとは

みんなの囲碁をやっていると、禁じ手ではなく「コウの状態です」と警告が出て打てないこともあります。

コウの状態です!

コウとは何なのでしょうか。

以下のような場合を考えてみて下さい。

禁じ手? 相手の石は取れる

このような状態になるとどうでしょうか。

禁じ手の考え方をすれば、今回も「打つ=取られる」の状況ではありますが、同時に白石を取れる状況でもあるため禁じ手ではなく打てるはずですね。

 

確かにその通りです。

こうして打って相手の石を取ることができます。

 

しかし、今度は白の立場で考えてみましょう。

白にとって今空いている「今取られた白石の場所」は打てる場所でしょうか。

ここも禁じ手の考え方をすれば、「打つ=取られる」の状況ではありますが、同時に黒石を取れる状況でもあるため禁じ手ではなく打てるはずですが、打ててしまうとどうなりますか?

 

ここが問題なのです。

無限ループになってしまいませんか?

 

白が打って黒を取る、黒が打って白を取る、白が打って黒を取る、黒が・・・・・・と終わりがありませんね。

このような状態をコウと言います。

囲碁のルールのひとつです。

 

つまり、無限ループになってしまう状態のことをコウの状態と言います。

 

コウの状態については無限ループになってしまう状態のことなのでわかりやすいのですが、コウの場合のルールは少しだけ複雑です。

正確に言えばルールはシンプル(簡単)なのですが、初心者のうちはコウのルールを使いこなせないと言ったほうが良いかもしれません。

コウのルールとは無限ループを防止するように作られている

ルールを知って頂くために、もう一度先ほどの場面に戻ってみましょう。

禁じ手? 相手の石は取れる

この状態ですが、黒にとっては取れる状態で、その後は白が取れないというのは不公平ではないですか?

実はこの状態が以下の状態の次のものだったとしたら今度は黒がコウの状態となって打てません。

上の状態が先にあった場合は、白が黒を取れますが、その上で先ほどの状態(下の画像)になったら今度は黒がコウの状態です。

禁じ手? 相手の石は取れる

黒は取り返すことができません。

ただし、コウというルールはこれだけで終わらないので多少難しいですし、これもまた囲碁を一層おもしろいものにしてくれるルールなのです。

 

コウのルール上、コウの状態になるのは一回限り

 

そう、今のこの状態がコウの状態なだけで、一手でもコウの所以外に打てばもうコウの状態ではなくなるのです。

たとえば、白がコウの状態になったとして、コウの状態の所には打てませんから別のところ(打つのはコウの状態の所や禁じ手の所でなければどこでも良いです)に打ったとしましょう。

コウで打てないから別の所に打った

そうすると、もう先ほどコウの状態だった所はコウの状態ではなくなります。

ですから、黒も白もここに打つことが可能になります。

なので、黒が次に以下のように打てば、もうコウになることもありません。

黒がここに打てばもうコウになることはない

黒はせっかくの陣地をつぶしてしまうことになりますが、もう白に取られることはなくなりますね。

しかし、黒がここではなく別の場所に打ったとしたら、たとえば以下の画像のようにですが、そうなれば、今度は白が打つことができるようになります。

今度は白が黒を取った

そして黒石を1子取ることができます。

さらに今度は黒にとって今石を取られた場所がコウの状態となってしまいます。

従って次の黒はコウの状態になっている所以外の所に打たないといけません。

しかし、黒にとってコウの状態であるのもこの時現在だけです。

 

これがコウのルールです。

 

ですので、コウについて差し当たり覚えておいていただきたいのは、無限ループになってしまう状態で石を取られたら一手は他の場所に打ってからでないと取り返すことはできないということです。

ただし、このルールを利用して自分に有利になるようにするのはかなり難しいですから(それはもうルールの問題ではなくて囲碁の上手さの問題です)今のところはコウというルールもあることだけ知っておけば良いでしょう。

 

知ってさえいれば、みんなの囲碁をやっているうちに相手(コンピューター)が上手くコウのルールを利用することを見ることがありますから、その時になってから「なるほど! こんな風に利用するのか」と理解できれば十分です。

 

そして理解はできても、自分も使えるというわけではありませんので、コンピューターに何度もコウの状態を利用されているうちになんとなく利用の仕方がわかってきて、あなたも利用できるようになりますから、今のところはまず実戦(実際の対局)を楽しんで下さいね。

 

もうここまで(前に4つ、今回2つのルールをお伝えしました)ルールがわかれば、囲碁のルールはほぼわかったようなものです。

 

後は死活のルールというか、死活はルールあっての考え方なのですが、その死活についてと、「ダメ」と呼ばれるどちらの陣地でもないところを最後に埋めていくこと(これは「みんなの囲碁」ではほとんどしません)、そして終局(もう打つところがなくなった状態)となった際に整地(計算しやすいように碁盤の上を整えること)と地合計算(それぞれの陣地の大きさを数えること)を覚えるだけです。

整地と地合計算はわからなくても、みんなの囲碁は自動計算してくれますし、終局についても相手がパスをしたらもう終わりと思えば良いですから、差し当たりは何も問題ありません。