明確な定義があるわけではないようですが、「囲碁の初心者」と言えばルールなどはわかっているもののまだ弱くて勝てない人のことを言うようです。私のように囲碁ルール初心者は弱いのは当然のことで、それ以前にまだ囲碁のルールが完全にわかっていません。
なので、私のような囲碁ルール初心者は何がわからないのかもわからないんです。
だったらさっさとルールを覚えてしまえばいいのですが、それはそれでまた難しいんです。
「囲碁はおじいちゃんがやるもの」というイメージを持っていませんか? (私はそんなイメージを持っていました)そのイメージもまた囲碁を難しくしている原因の一つだと感じます。
なぜなら囲碁を始めようとしてわからなかった場合に「老後になってやることが無くなってからやればいいか」と、諦めるための口実と言いますか、自分を納得させる材料にもなってしまうからです。
囲碁はとにかく実際に打ってみなければルールも覚えられない
頭の良い人や勉強のできる人は別かもしれませんが(私も勉強だけならできたほうですが)、私のようにふつうの人(私は普通以下かも? 笑)にとっては、どんなに丁寧でわかりやすい入門書があったとしても、それが丁寧であればあるほどそのすべてを実践なしに理解することは不可能ではないかと思います。
今にして思えば、確かに囲碁のルールはシンプルです。
だからこそ、自由度が高く、想定外のことも起こります。そしてその想定外のことが起こって初めて納得できる決まり事などが囲碁には多いからです。
しかし、逆にルールをほとんど知らなくても実際に囲碁をやってみると意外と楽しめるものでもあります。
ためしに、私がおすすめする無料アプリの「みんなの囲碁」(無料のスマホ囲碁ゲーム)を9路盤の置石5子で息子にやらせてみました。
ルールは一切教えていません。
それでも、それなりに楽しかったようで、1時間もしないうちに「白が無くなったぞ」と言って持ってきました。
相手(コンピューター)がパスをしても打ち続けて全部取ってしまったようです。
石の取り方も教えていませんが、自分が取られて囲めば取れるとわかったようです。
そのくらいに置石5子での9路盤対局は難易度が低く(コンピューターの棋力は14級)、ルールを知らなくても遊べるものなのです。
置石5子でのゲームのやり方は「無料囲碁ゲームをやってみましょう」という記事に図解入りで詳しく書いておきました。
囲碁は中学生の勉強にも似ている
わかりやすいのは中学生の数学ですが、中学生では数学で最初に負の数というものを習いますね。マイナスというやつです。
ところが、現実の社会にはマイナスという数字の概念は感覚的にはありません。
何個足りないとか、いくら足りないのような感覚はありますが。
ましてや、負の数を足すとか(ふつうに引けばいいじゃん)負の数を引くなどという(これも実社会ではふつうに足せばいいですからね)感覚はありません。
そして次には文字と式などという単元になってなぜか数字をアルファベットに置き換えて考えさせられます。
1個a円のリンゴを3個買って1000円払いました。おつりはいくらですか?
って、なんで代金をaなんて表さなきゃいけないのか、この段階では意味不明です。
ですが、方程式を学んだ時に、やっと今までの正の数・負の数の計算や文字を使った式を覚えた意味がわかるわけです。
囲碁もこのように進んでからやっとわかることがすごく多いですよね。
だから、勉強ができない子は先生に何を質問したらいいのかわかりません。
同じく、囲碁もわからないうちは何がわからないのかわかりませんので、何を質問したら良いかもわかりません。
1ヶ月少々囲碁をやってみて実感したこと
それは囲碁を楽しむことを先にすべきだということ。
そしてそのためには、
- 良い指導者に巡り合えること
- 最低限のルールだけわかったら簡単なゲームで実践(対局)してみること
このいずれかしかないと思います。
囲碁ができる人でも指導は下手な人もいるようです。
まあ、それはそうでしょう。名選手が必ずしも名コーチになれるわけではないのと同じ。
勉強のできた人だけが教師になりますが、教師だからと言っても教え方の上手い人は少ないです。
特に大人になると頭でっかちになってしまうのか(私もそうでしたが)、自分一人ではルールなどが完璧に理解できないと実践にうつれません。
でも、それはかえって遠回りです。
囲碁ルール初心者は何がわからないのかもわからない!
それが当たり前だと思います。
その状態でも、囲碁は楽しめるということのほうを先に実感してみて下さい。
それが近道でしょうね。
逆に囲碁が上手な人の中には「囲碁ルール初心者は何がわからないのかもわからない」ことが理解できない人もいるようです。
その点も勉強と同じですね。
勉強がもともとできた人はできない子の気持ちはわかりません。
私のように「落ちこぼれ」「頭が悪い」など散々バカにされた成績から勉強ができるようになった経験を持つ教師なんて、たぶんいないでしょうから。
囲碁は勉強ができない子の状態がふつうの状態です。
それを割り切れれば囲碁はきっと楽しめますよ。