前回まで2回に渡り、プロ棋士さんがおすすめする詰碁のやり方を説明してきました。
「囲碁の初心者はコレをやるべし!」ではプロ棋士さんが詰碁をやるにあたり、いきあたりばったりではなく、あらかじめ最後まで手を読んで、数字で書いて正解を導き出すと良いということを教えてくれたことをお伝えし、「詰碁の攻略法 その1」ではプロ棋士さんの仰る通りにやるにあたり私のような素人では難しい部分をどうすべきか、それを中学生の数学と比較して私なりの考えを述べてきました。
そして前回最後に私が詰碁で自主的に後2つのことをやっているとお伝えしましたので、その2つをお伝えしようと思います。もしかしたら上級者の方々にとっては当たり前のことなのかもしれませんが。
詰碁でやっていることその1
ほぼ毎日、将碁友の会の詰碁の問題を解いているのですが、それだけではなく、
解き終えた問題はほぼすべてを分類して保存しています。
「ほぼすべて」と言うのは、入門者のための今日の詰碁のホップの問題のように一手で終わり、ただ白石を取るだけの問題はさすがに保存していません。
ですが、上の画像は2019年8月16日の問題で、これも一手で終わる問題ですが、これは保存しています。
この問題の正解は以下の通りです。
これは一手で正解なので詰碁としてはこれで終わりですが、死活に関して急所を知る問題なので最初の画像の問題と正解の両方を保存しています。
詰碁の問題と正解を保存する理由
保存をしている理由はいろいろあるのですが、1つは時間のある時に以前に保存しておいたものを見直すためです。
人間は便利なもので物事を忘れますから(特に私の年齢になると凄い勢いで忘れます)、以前の問題は1度は正解がわかったか、あるいは自力で正解した問題であっても、時が経つとまるで初めて見る問題であるかのようにもう1度解くことができるんですよ。
特に私の場合、囲碁を始めてまだ2ヶ月で詰碁は始めてから1ヶ月も経っていませんし、保存し始めたのは8月になってからなのですが、8月の初め頃の問題はもちろんのこと、2~3日前の問題でさえ忘れてしまっています。(恥)
つまり、こうして保存をしておくことで豊富な数の詰碁の問題集が出来上がるわけです。
プロ棋士さんは、詰碁の問題を用意できる囲碁の指導者が少ないと言われていましたが、私にとっては毎日の将碁友の会の詰碁の6問だけでも結構豊富なのに、さらに月日が経つごとに問題が蔵書のように増えていくので詰碁の問題に困ることがありません。
また、囲碁は数学に似ていますが、違う部分もあります。
中学生が数学(小学生は算数)を勉強する目的は問題そのものができることになることやテストで良い点数を取ることではなく(とは言えそれを目的にしてしまっている人も多いのが問題ですが)、数学ができるようになることで、計算力はもちろんのこと、理解力や思考力(特に数学では論理的思考力)と言った社会に出てからも役立つような学力をつけることです。
ですので、私が中学生に数学の勉強法を教える際は、前回お伝えした内容に付け加えて、解き方を理解はしても覚える必要はない。むしろ覚えないほうが良いと伝えています。
学習塾などではテストの点数を上げることが成果なので、解き方を覚えさせる場合も多いのですが、それは将来的に子供にとってマイナスにしかなりません。
なぜなら解き方を覚えてしまっては考える力(思考力)が身につきませんから、数学では一時的に良い点数が取れても限界が来てしまったり(それでも並外れた記憶力の人は大学受験まで暗記で数学をクリアする人もいますが)、パターン認識しかできないようないわゆる「指示待ち族」を育てることに他ならないからです。
ですが、囲碁は違います。囲碁の目的は囲碁が上達することです。
だとしたら、初心者のうちは理解したり考えたりしても、最終的には定石のように覚えてしまうことも良いのではないかと思います。
そのためにも覚える材料は豊富にあったほうが役立つと思うからです。
もっとも、私の場合はその記憶ができないわけではありますが。(現在中学生に教えている方法で昔はそれなりに記憶力には自信があったんですけどねえ。 残念! 笑)
しかし、保存自体は簡単ですから、保存しておいて損はないと思いますよ。
詰碁の問題と正解の保存方法
私はこの詰碁をパソコンでやっていますが、パソコンでもスマホでもできますから、いずれの場合も画面をハードコピー(キャプチャ)して画像にして保存するだけです。
パソコンの場合
パソコンの場合は「Print Screen」のキー(Prnt Scr のように書かれているキーボードもあります)を押せばコピーが出来ますので、それをペイントソフト(Windowsなら付属アクセサリの「ペイント」で大丈夫)に貼り付けして、それを名前を付けて保存しておくだけです。
パソコンの場合は名前を付けて保存できますし、分類して保存することも出来ますから、パソコンがあればパソコンで保存したほうが良いと思います。
ちなみに、パソコンでコピーする場合、Print ScreenだけでなくAltキーを一緒に押して「Alt+Print Screen」でコピーをすると一番手前のウインドウのみをコピーできます。
要するにウインドウを最大化せずに小さくしておけば小さく必要部分だけをコピーできるということです。
スマホの場合
私はスマホがあまり詳しくないのですが、iPhoneの場合は電源ボタンとホームボタンを同時に押せば画面がそのまま画像になって保存されますね。(iPhoneXはサイドボタンと「音量を上げるボタン」を同時に押します)
アンドロイドのスマホの場合も、電源ボタンとホームボタンまたは音量ボタンで同じように画面がそのまま保存できます。
機種によって若干の違いがあるかもしれませんので、わからない場合は検索で機種名とスクリーンショットのキーワードで調べればすぐにわかると思います。
詰碁の問題と正解の分類方法
私の場合は問題と正解が交互に見られるように日付と番号で名前を付けて保存していますが、保存する際に分類もしています。
その分類とは以下の3種類に分類して保存しています。
- 自力で正解できた問題
- 正解を見て理解できた問題
- 正解を見てもわからない問題
この3種類に分類して保存しています。
正解を見てもわからない問題も、後日見てみるとわかるようになっていることもあるんですよ。それはそれで成長できた感じがして嬉しいです。
詰碁でやっていることその2
1つ目は今までお伝えした通り、分類して保存しているわけですが、2つ目は、正解がわかってもその後も確認しています。
将碁友の会の詰碁の「研究」ボタンを押して研究機能を使っています。
研究というボタンをクリック(またはタップ)すると最初から自由に打つことができますが、正解の後もそこから研究ボタンをクリックすれば、その続きを自由に打てるのです。
なので、たとえば、以下は2019年8月17日の問題の1つですが、
この問題の正解は以下の通りです。
これが正解だということはおわかりでしょうか?
詰碁を始めた頃の私はこれも「正解を見てもわからない問題」に分類していました。
「安全につながりました」と言われても何が安全なのか意味不明でした。
しかし、今ならその意味がわかります。(少しは成長したのかも? 笑)
正解した段階で(あるいは正解ボタンを押して正解を見た後も同じですが)右下の「研究」というボタンをクリックすると以下の画像のような状態になります。
数字が消えてどこにでも打つことができる(白からですが)状態です。
なので、白が打ってくるとしたら候補としては以下のAかBですよね。
しかし、Aに打ってしまっては黒がBに打てば白石1子を取って追加で目が出来るだけなので、白はBに打ってくるはずですね。
上の画像のようにBの場所に白を打ってみましたが、ここに打たれても、以下の画像のように黒を打てば白の今打った石を含めて2子は死にますね。
もう白は打ちようがありません。なので、正解の段階で「安全につながりました」だったわけです。
と、偉そうに解説して、的外れだったら恥ずかしいですね。(笑)
ちなみに、解説に書かれているオイ落としのワザにかけられるとは以下の状態です。
1と打って白に2の所に打たれてしまったら4のところはもうアタリに行くだけなので3で白石を取るしかないですよね。ですが、結局その後に白が1の左側に打てば黒の5子は全て取られてしまいます。
現在もわからない問題
そんなわけで多少は成長したと思われる私ですが、同じ2019年8月17日のこの問題は正解が自力で導き出せたにもかかわらず、それがなぜ正解なのかわかりません。
この問題です。
この問題の正解は以下の通りです。
この正解を見てもなぜこれが正解なのかわからないんですよ。
「せめてコウに」というヒントがあったので私は3手目をAの位置にして正解したものの、なぜそれが正解なのかまだわかっていません。
ちなみに、「3手目はAでもOK」と書いてあるのに、実際にやってみた時は以下の通りでした。
あれ? 残念って・・・・・・正解じゃないんかい!?(笑)
で、話を戻して、初心者の方はこれが正解だと理解できますか?
セキ(お互いに手を出せない状態)についてはわかりますよ。
もし白が2を1の右下に打っていれば、上の画像の2の位置とAの位置が空きますけど、そこは白も黒も打てませんからね。
白が2の位置に打てば黒がAに打って左半分くらいの白石を総取りですし、白がAの位置に打って黒を取っても黒が2の位置に打てば白はもう打てずに黒に取られるだけですし、黒もAはまだ禁じ手ですし、2に打てば3を取られて、その後は1のあたりの黒石まで取られてしまうのでどちらも打てませんよね。
そこまではわかります。
ですが、「白の取り番ながらコウです」と言われても、白番なので、当然コウのところを白は取りにきませんか?
以下のようにされたら黒はどうすれば良いのでしょうか?
コウなので今取られたところはすぐに取り返せないですよね。
唯一打つ候補として考えられるのは一番上の右端の白の右側くらいですが、そこに打ったところで、次に白に以下のように打たれたらもう打つ手なしではないでしょうか。
黒は完全に分断されたように思うのですが・・・・・・
仮に右側の空いている所に打って白を1子取ったとしてもここはコウでもありませんからウッテ返しで黒石6子を取られて終わりですよね。(と言うか、その前に白がコウを詰めるのではなく空いたところに打てば黒石5子を取られてその時点でダメだと思いますが)
黒はいったいどうすれば良いのでしょうか?
わからないままなので、この問題は、「正解を見てもわからない問題」に分類して保存してあります。
こんな時に素人でも気軽に聞ける場所があれば良いのに
このような時に素人でも恥ずかしくなく聞ける場所があれば良いのにと思います。
今回の問題はたぶんど素人の私がわからないだけで簡単な問題なのだと思います。(ステップのレベルの問題ですし)
ですが、だからこそなかなか人にも聞けません。
検索してみても、ヤフー知恵袋などではもっと高度な質問ばかりですし、ネット上では気軽に素人臭い質問が出来る場もなさそうですし、有料会員を募るようなサイトでも他のサイトの問題については教えてくれないでしょうね。
もっとも将碁友の会に入会したら教えてもらえるかもしれませんが(入会してないんかい?! というツッコミはご容赦下さい。笑)、サービス内容に質問受付と記載されていないのでわかりません。
このブログに掲示板機能をつけて誰でも質問できるようにしたら、そのような場所になるのかな?
掲示板機能自体は簡単に装備できますが、作ったところで私が初心者の方々のご質問に答えられるわけではありませんし、素人の質問に答えて下さるような奇特な方がいらっしゃるのかどうか疑問です。
どうしよう。試しに装備してみようかな?
現在まだ検討中です。