以前からお伝えしていたように、少し前のことですが、幸運にも囲碁のプロ棋士さんにお会いする機会に恵まれました。
その時のことをお伝えしようと思います。
上の画像はプロ棋士さんにお会いした際に、少し時間が空いた時にやったものです。
左側の紙に描かれた通りに石を置いて、下のかたまり部分からシチョウで黒を追い詰めると右側のようなハートが完成しました。
ネットで調べたところ、19路盤ではこの例がありましたが、13路盤でもできるのですね。
そして、これは単にシチョウで追い詰めるだけなのですが、ハートにするために随所に既に石がありますから、その部分でのシチョウでの追い詰め方が意外と難しかったです。(たぶん最初からハートになるとわかってやれば簡単だとは思いますが)
ご興味のある方は1度お試し下さい。
プロ棋士さんにお会いするため車で移動
当日は自宅近くで囲碁クラブの代表たちと待ち合わせをして、車でプロ棋士さんのところへと向かいました。
車で移動すること約1時間。少し緊張しました。
何しろ普通であればテレビなどで見るくらいしかできないような方に、私のような囲碁を始めて2ヶ月というど素人が会って良いのだろうか?
そんな気持ちがあったからです。
たとえるならば、野球に興味を持って、やっと野球のルールがわかり、キャッチボールが素人同士でならなんとなくできる程度でプロ野球選手に会いに行くようなもの。教えて頂くこともなかろうと思ったわけです。
というよりも失礼ではないかと。
お二人のプロ棋士さんに会う!
到着してみると、そこにはなんと・・・・・・
二人のプロ棋士さんがいらっしゃいました。
あれ? お一人だと思っていたのですが、お二人もいらして、またそのお二人が随分とタイプの違う方々でした。
お二人に挨拶をさせて頂きましたが、お一人のプロ棋士さんは本当に挨拶を交わしただけでした。
しかし、もう一人のプロ棋士さんは非常に気さくに話しかけて下さり(詰碁のやり方を教えて下さった方です)、私の棋力を知りたいからと、まずは小さな子供と私を対局させました。
二人の子供と対局!
二人とも近所の子供たちらしいのですが、二人とも囲碁を最近始めたばかりということで私と同じような感じです。
特に最初に対局した子は本当につい最近始めたばかりとのことで、対局の際に黒石2子の置石をして私が白番という「それ、逆じゃないの?」と言いたくなるような対局をしました。
しかし、本当にまだ始めたばかりだからということで打ってみると意外と強い!
後から聞いたら小学1年生だったのですが、小学1年生を相手に大人げなく本気で対局してしまいました。
で、なんとか勝つことは勝てたのですが、始めてまもないとは思えないような打ち方で苦労しましたし、終局間際のヨセもちゃんとやるし、最後の整地と地合計算までやるじゃないですか!?
もう九九を覚えたとは!
それ以上に自分の囲碁を始めた頃にはできなかったことすべてをソツなくこなす姿を見て感心してしまいました。
対局が終わると、それなら今度はこの子と、ということでもっと幼い感じの子と対局、そしてたぶんいい勝負になるからと初のニギリ(囲碁の際に順番を決める方法)で順番を決めて私がまた白番となりました。
またまた大人げなく本気で勝ちに行ってしまいました。
覚えたばかりのシチョウに追い込んで、それにはまってくれたから勝てたようなもの。
もっとも私に「いい感じに手を抜いてちょっとだけの差で終える」ようにする力もありませんけどね。
後から聞いた所、二人目の子はまだ5歳。
そして確かに先ほどの子よりも強かったですし、最後の整地も地合計算もきっちりできました。
5歳児を相手に本気になるのもどうかとは思いますが、5歳児と大人が対等に勝負ができるのも囲碁ならではでしょうね。今度この子に会うことがあれば私は本気でやっても負けるかもしれません。
詰碁の練習
二人の子供たちとの対局が終わると、だいたい私の棋力はわかったとのことで、私の棋力に合った詰碁をやるように言われました。その際に一緒に手渡されたのが先ほどのハートのシチョウで、シチョウでハートを作ってから下の画像の詰碁をやってみました。
そのまま見ただけで無理なら碁石を並べて考えても良いと言われましたが、確かにそのまま考えるのはかなり難しいです。
さらに将碁友の会の詰碁と違い、答え合わせも出来ません。
将碁友の会の詰碁は白が勝手に打ってくれますから、こちらの手は当りの場合も、白が想定外のところに打つこともありますが、このような状態では白の打ち方も確実に考えねばなりません。そこが特に難しいですね。
以前にもお伝えした「白の気持ちになって」というのはこの時に教えて頂いたことです。
それともう1点、将碁友の会の詰碁では、部分的にどちらから打っても結果が同じになることも時々ですがあります。
しかし、いつのタイミングだったか覚えていませんが、私が「これはどちらから打っても同じかな?」とつぶやいているのをプロ棋士さんが聞かれて、こう言われました。
「囲碁でどちらからでもいいなんてことは、まずありません!」
一見すると左右対称や上下対称の場合、どちらから打っても同じように感じることは結構ありますが、その考え方自体が間違いなのですね。勉強になりました。
なんとプロ棋士さんとの対局!
いろいろと教えて頂けてそれだけで十分に感激をしていた私ですが、なんとプロ棋士さんが私のようなど素人を相手に直接対局をして下さいました!
いや、びっくりでした。
13路盤で置石5子で対局をさせて頂いたので、もっとたくさん対局中の写真を撮りたかったのですが(できることなら後から棋譜が作れるように「みんなの囲碁」にすべての手を打ちこみたかったくらいですが)、そんな余裕はまったくありませんでした。
当たり前と言えば当たり前の結果ですが、置石5子もあっても、まったく手も足もでない状態でした。
それでもプロ棋士さんはまるで本気ではなく、かなり力を抜いてやって下さっている感じでした。
私がどう打つかを見ながら、私に合わせてくれたり(右上の部分は定石通りに打たせて下さいました)、私が勉強になるように打って下さるような感じでした。
後日知ったことなのですが、私がいつも(と言っても週に1回あるかどうかですが)教えて頂いている先生が対局する際は19路盤で置石3子で同じプロ棋士さんと対局をするのだとか。
私に教えて下さる先生も県の代表になったりとかなり強い方のはずですが、プロのレベルというのはまったく桁違いなのですね。
それと先生に言われたのですが、私のようなど素人がプロ棋士さんと対局できるなんてそんな貴重な機会に恵まれるなんてことはふつうありませんよと。
先生も驚かれていました。まあ、それはそうでしょうね。
そしてプロ棋士さんとの対局が終わり、今の私に丁度良いという詰碁の問題をいくつかと、前回「棋譜をプロ棋士さんから頂く」でお見せした棋譜をお土産に頂きました。
本当に貴重な経験をさせて頂きました。ありがとうございます。
その貴重な体験も、私のつたない文章力ではここまでしかお伝えできなくてすみません。